アニメを見ちゃおう大会の続き

銀河鉄道999稲野義信パートについて。自分は実はこっちが本命。
mixi内での自分のアニメ先輩とのやりとりを中心にまとめてみます。

彼の作画の特徴は、一見すると奇妙にも見えてしまうキャラクターのポーズ。これは実は次の動作に移る際に自然な体重移動ができるように合理的な計算がされていて、前の原画に対しての”のこし”と次の原画に対する”入り”が効果的になされている。つまり、機能的な絵になっているのだ。これにより少ない枚数でも、無駄のない流れるような動きのリズムが作られる。さらには、手首や肘の微妙なひねりも加えていて、独特の動きが目に残る。(例えば、手首が内側に曲がっていたりする)
これらは演技の発想そのものが独特で、そのキャラクターが如何なる状況で如何なる態度、行動を示すのかということを独自の感性で解釈して、キャラクターの掘り下げを行い、芝居をさせていることによる。
例えば、銀河鉄道999劇場のラスト、メーテルを見送る場面で、銀河鉄道を追って歩き出す鉄郎の手の後ろに流れ出す感じ。冒頭で鉄郎が999のフリーパスを盗み、左右に身体を旋回させながら逃げ回るシーン。これらのシーンも鉄郎というキャラクターが、この場面でどのような表情、行動を見せるのか、を解釈し、”鉄郎らしさ”を的確に表現している。それが実に格好が良い。

キャラクターを掘り下げ、リアリティのある芝居をさせるという現在のリアル系作画。そこで絶対的に必要となるのは説得力である。20年以上前に、独特の作画スタイルを用いて、そのキャラクターのがもっている”らしさ”を観客に納得させたアニメーター、それが稲野義信ではないだろうか。