アリオン

監督:安彦良和 
作画監督安彦良和 
演出:浜津守 
脚本:田中晶子 安彦良和 

当時のサンライズの主力が結集していて、全編通しての作画レベルが異常に高かった!大満足。

今回のお目当ての稲野義信さん。ゼウスがガイアに泣きを入れるあたりは、稲野さんだと判別できた。ゼウスの走りや、ガイアの手は実に稲野さんらしい芝居が効いていて良かった。個人的に稲野さんを見るときのポイントは手。特に小指。
階段を上るアテナのカットは肩の入った芝居や、布の質感や量感、動きの上手さはものすごく感じることができても、いわゆる”稲野さんらしさ”がわからなかった。どこら辺が特徴になるんだろう。
続く群集のシーンはもう圧巻。あれができる人ってかなり限られて来るんではないかと。稲野さんの群集シーンは、そのカットの役割に合わせて芝居が大きく変わる。今回は慌てふためく群集の雑多さや土臭さが良く出てた。もうどうにもならない!という雰囲気が伝わってくる。(ユカオーンの台詞が不要なくらい)
稲野さんではないけど、その後の、怪鳥テュポーン出てきてからもまたすごかった。飛び立つとことはもうハーロック号発進みたいなレイアウト。奥から手前へ巨大なものが迫るカットって描き方によってすごい迫力になるな。個人的にはその後のテュポーンからコケが剥れていくところもモサモサした感じが好き。

稲野さんの作画は非現実の中の現実を納得させる演技を描くのに向いてるのではないかな。絵自体も湖川絵や安彦絵、兼森絵のようにどこか臭さが残る絵柄が親和性高いと思う。

追記:ハデスとアリオンが出会うシーンも稲野さんぽかった気がするけどどうなんだろう。