ヤングユーとハチクロとフジテレビ

http://www.hachikuro.net/
榛野なな恵先生の大人気作「Papa told me」ドラマ化の失敗にもめげず、「ごくせん」ドラマの高視聴率獲得、「ハチミツとクローバー」のアニメ化と各種メディアでヤングユーが好調に見える。
ヤングユーの漫画の基本は、10代後半〜20代後半の読者が描いてる自分像の少し(ここがポイント)上をいくハイソサヤティー、ハイセンス、ハイインテリジェンス(例外有)。つまり、ほどほどな知性を持った、ほどほどな社会階級の人達を、ほどほどな感性が好まれる。やりすぎは弾かれる割とコンサバティブな雑誌ではないかと思う。


で、今回のハチクロアニメ化、フジがノイタミナnoitaminA)という造語まで作って「今までのテレビアニメの常識をひっくり返す、フジテレビの新しい挑戦!まるで連ドラのようなアニメ!」と煽ってるが、放送時間が24:35〜とターゲットがイマイチ分からない。原作がヤングユー層にとらわれず広く読まれてるのは分かるが、その中で深夜まで起きてアニメ見るような人がどれだけいるかが一つの問題。ゴールデンや日曜朝にやればそれなりの視聴者も確保できるだろうが、そこまでの入れ込みは無し。


最近のアニメの制作費捻出がスポンサー収入では成り立たなくなっており、DVD販売の占める割合が大きくなってきているが、そういうところに金を投資するのは、大衆化したいわゆるアニメファン層であって、何万もかかるアニメのDVDに彼ら以外が投資するとは考えにくい。原作ファン層は映像を見て通り過ぎてくだけだろう。今のアニメの投資家に媚びる姿勢も好きになれないが、それを変えられそうなところで変えられないでいるのがもどかしい。新しい挑戦と煽るぐらいなら、しっかりとした資金と時間を与え、メイン枠で高いクオリティとドラマ性のある作品を流して、連ドラや有象無象のバラエティからのパラダイムシフトを起こして欲しい。


今作は制作がJ.C.STAFFなので、まだ情報が出てないので断言はできないが、旧来の流れでいくとおそらく色は原作のパステルからビビッドへと大分変わったものになるはず。これも原作ファンにとっては問題だろうな。


・現在放映中のまほらばの例。
http://www.square-enix.co.jp/magazine/wing/mahoraba/
http://www.mahoraba.info/top.html
・関連
J.C.STAFF オフィシャルホームページ
http://youngyou.shueisha.co.jp/