ルパン三世PartⅢ6話「ルパンが戦車でやってきた」

脚本:高屋敷英夫
絵コンテ・演出:こだま兼嗣
作画監督神村幸子
原画:スタジオイルカ
   川越ジュン、あべじゅん子、小松ひな子、菖蒲隆彦

アクション、メカとも見所が多いスタジオイルカ回です。アバンタイトル部のウィスキーの瓶から他の回とは一線を画してます。タイトル後の爆破のエフェクト、特に煙の消え方が良い感じです。そして良く書き込まれ影もつけられたディテール感のある戦車。ここら辺は当時のロボットアニメを反映してるのでしょうか。


ルパンのゲリラの部屋に入ってくるところからの動きが肩がフラっと入って好みです。殺陣を含めたゴエモンのアクションもクセは無いのですがキレのある動きしてますね。ジープの傍らでギャランコと決闘を始めてからの一連の次元の動き、銃を打つ次元と銃を弾かれるギャランコのシークエンスはシティーハンターに近いと思います(特に弾かれるところ)。一番の見所はジープ銃撃後。崖を転がり落ちるギャランコと次元、ギャランコに駆け寄る次元、そして銃を拾いながら崖を駆け上がる次元動きは絶品です!(誰の作画なんだろう?神村さん?川越さん?)こういうタイミングで細かい芝居を入れる作画は高畑さんが得意とされてたと思います。高畑さんのように体を斜めに構えたような独特のポーズなどのクセはありませんが、芝居の感覚は受け継がれているんではないでしょうか。


モブにも特徴あります。Aパートでマシンガンを持った兵士が出てくるのですが、背中を張ったような感じがなかなか。また壁にぶら下がるルパンを兵士たちが取り囲むところの、警報を聞いてパッと集まってくる様子が良いんですよ。これはコンテ・演出のこだまさんの力量が大きいのではないかと。


スタジオイルカ回は全体的にキャラクターが整って書かれているのは良いのですが、逆に崩しが入るよな作画が必要とされるギャグ描写はあまり得意でないみたいです。銭型あたりは臭さが足りなくて食い足りなさを感じてしまう人もいるのではないかと思います。


作画以外でひとつ抑えておきたいのが、「神村幸子」の表記復活です。「神村幸子」さんは動画時代、当時原画だった児玉兼嗣さんと結婚し「児玉幸子」に改名。新ルでは「児玉幸子」名で動画から原画へ、中盤以降は高畑チームの一員として手腕を振ってきました。スタジオイルカに移られてから名前戻されたんでしょうかね。


追記:こだまさんと戦車は関係が深くて、最近でも「かみちゅ」の4話で戦車やヘリをもりもり出してましたね(笑)