Gu-Guガンモ15話「新任教師のハチャメチャ家庭訪問なのだ / サイゴーに手を出すな」

脚本:藤川桂介・柳川茂
演出:池田裕之
作画監督:今沢恵子
原画:井上俊之梶島正樹

有名なのはおそらくBパートだと思うのですが、
Aパートの方が井上さんが書いてると思われます。
全体的にオバケを巧みに入れたパタパタした動きと卓越した画力、
あとはタッチの入れ方にも若干特徴があります。


Aパートではまず授業中にネクタイやメガネに手をやる先生が妙に上手い。
コブシや指の関節、手首の骨をさりげなくリアルに書いてきます。
学校玄関先の単純なモブも一味違います。


学校を飛び出したつくねにびっくりして
自動車が次々と事故を起こしていくところも見事。
車がぶつかった電柱が倒れるカットを
電柱の真上から描くなんてこれで初めて見ましたよ。
おそるべきレイアウト力。これはおそらくコンテで思いつかないんじゃないかと思います。
作画のアドリブでカット増やした可能性が考えられます。


つくねのタマクダキに怯えて錯乱した先生が
洗濯物につっこんで池に飛び込んでいくあたりまでの背景動画も見事。
錯乱する前に先生が起き上がるところや、池に飛び込んだ直後に
ハンペンが縁側に出てくるところの動きも良いですよ。


ちなみに前話もゲストキャラがつくねにタマクダキを喰らう話でした。
タマクダキで恍惚を感じる変態を現IGの後藤隆幸さんが書かれています。


Bパートは時代を感じさせるパロディ作画が満開。
意図的なのかエフェクト影がいたるところで見られます。


ヘリで襲撃される番長の慌てぶりがグッド。


リモコンでメカが呼び出されるところにもまた背景動画。
メカのデザインやホバリングしながら
左右に動いていくところなんか時代を感じさせられます。
エフェクトから見ておそらくは井上さんの原画だと思います。


DVDのブックレットではこのBパートを「作画の暴走」という
位置付けにしているのですが、個人的にはあまりそうは感じません。
作画自体の質は1話と変わりませんし、
時代を反映したデザインのものが出てくるのは
ガンモでは特別めずらしいことではないので。


先日別件でPAワークスの井上さんのQ&Aを軽く読みなおしてたんですが、
井上さんが「カリスマ」と呼ばれるようになったのは
この記事によるとアニメスタイルの1号が最初なんですね。
原稿チェックの見落としで。
http://www.pa-works.jp/runner/inoue/index-inoue01.htm
自分はいわゆる「リアル系」を追求したような作画には
今のところ興味が薄いのですが、
コミカルさやリリカルさに適度なリアルさが加わった
当時の井上さんの作画は好きですね。
また美少女作画もやって欲しいと思っています。
http://www.pa-works.jp/runner/inoue/index-inoue02.htm

Q08:‘女性’を強調したキャラクターデザインに嫌気がさします。どう思いますか?
A08:男の恥部を見るようで私も嫌になります。

セイバーマリオネットのことぶきつかさデザインとかどう思ってたのか気になるところです。