ケモノヅメ 第01話「初めての味」

脚本:氷上清資 湯浅政明
絵コンテ・演出:湯浅政明
作画監督:伊東伸高
プロップデザイン:清水洋
原画:松田宗一郎 清水洋 久保川絵梨子 本間晃
   CHOI EUNYOUNG 今村大樹 山口賢一 桑原幹根
   若月愛子 村谷貴志 阿部慎吾 大内正彦

湯浅政明監督の新作「ケモノヅメ」がついに放映されました。
TVシリーズでは初監督だったのでちょっと心配だったのですが、
そんな心配はOPで何処かに吹き飛ばしてくれました。
作画アニメにはならないような話も聞いていたんですが、
今のところ飛びぬけた作画の他に全体にクセのある作画で
十分な作画アニメになっていましたよ。
キャラクターザインといい伊東さんは
湯浅さんの本当に良いパートナーになりましたね。


原画タッチを生かした撮影処理で手書きアニメの魅力を
たっぷりと感じさせてくれるのが作画ファンとして嬉しい限りです。


作画的な見どころはAパートの人喰い鬼との闘いのシーン。
ダイナミックな動きとギミックを聞かせた演出ですばらしかったです。
以前イベントで言われていたウンコネタはこういう風に使うんですね(笑)
松田さんはここらへんのミサイルのエフェクトや爆発、
タバコの煙なんかを書かれてたんじゃないでしょうか。
弟と猿との闘い?や海岸線に走る主人公もアニメ的な
大げさな動きが入っていて楽しい仕上がりでした。
ここらへんは伊東さんの作画になるのかな。


Bパートのユカが出てきたときのたっぷりとした芝居や、
ラストのR15のラブシーンもエロくて良かったですよ。
風人物語の荒川さんのキャラもそうなんですが、
線が少なく大胆なデフォルメを利かせた肉感的な
キャラクターが見せるエロティックな芝居は格別のものがあります。


作画以外にも例えばCGの使い方でも気になるところはありました。
Aパート開始直後の水槽での魚なんかはCGの上に手書きの線を乗せていたり、
Bパートでは海や風鈴などの背景に一部実写が使われてたりして、
マインドゲームでの経験が場所を変えて生かされているのが印象的でした。


湯浅さんのレイアウトもすばらしかったんですが、
それを生かした背景も良かったですね。雲の処理なんかもすばらしい。
ここまでくすんだ色のアニメというのもめずらしいですね。


アニメスタイルの小黒雄一郎さんがアニメにクレジットされたのは、
ゲキガンガーかウテナ以来で10年ぶりでしょうか。
どういうところで仕事が映像となって現れているのかわかりませんが、
アニメファンの心を捉えるようなテイストを付加してくれることを期待します。