沼田誠也の仕事1〜ニニンがシノブ伝編〜

ゾイドジェネシス28話の作画監督に続き、29話からのED作画で人気を博した沼田さん。かわいらしい絵と動きで一部のアニメファンに好評なようですね。


沼田さんの良いところは、とにかく馬鹿やっても嫌味にならないところだと思います。オマージュをするにしてもただ真似するのではなく、そこに自分のエッセンスを加えてそれを超えようと本気でやってます。エフェクトや人物の芝居など技術的に見て明らかに上手いんですが、基本的にスゴイ!というより面白い!と思わせる作画をされてますね。見ている人を唸らせる作画をされる方はそれなりに沢山いますが、見ている人を楽しく笑わせられる作画ができる人は意外と少ないんではないかと。スタイル化せずに色々な作画を見せてくれるのも魅力の一つですね。個人的には作画監督よりも、一人の原画マンとして担当されたカットでその個性を楽しみたい人の一人です。


自分が沼田さんを意識して見るようになったのは、ユーフォーテーブルでのあまりに気合の入ったオマージュ作画からでした。良い機会なので一度その仕事についてまとめてみようかと思います。とりあえずユーフォーテーブルから。


シノブ伝6話で雅が鍋を作る一連のシーン。明らかに線の取り方やタイミングの異なる動きが違う芝居が始まります。何やら怪しげなものが入った沼田鍋から、金田伊功さんもびっくりの火炎龍が吹き上げるシーン。消火のための水までやたら粘っこい。この後の音速丸の顔まもとんでもないことになってますね。ここが自分が初めて沼田さんを意識したところです。(最初は外崎さんかと思ってました)おそらく沼田さんのベストワークのひとつなんではないでしょうか。

シノブ伝7話の雅のサイン会の一連のシーン。サイン会自体が少し自信無いですが、そのすぐ後の雅が「き・も・ち・わるい〜」とリップシンクロするところから、「まいっちんぐ」するところまでは沼田さんでしょう。本物を越えたオマージュするのが沼田さんのクオリティ。相撲のシーンの後、体型が変わるカットは後のアルティメットガールの変身バンクにも通じるような作画。等身を上げてグラマラスな体型を書こうとすると変な絵になるのはお決まりですね。他にも細かいところをいくつか担当されています。楓が右からFr.inして「ダメ、まだくっついてる」と言うところ、続いて忍者達が「きにしない、きにしない〜」とクネクネするところから、忍者が「時間が無いな!」と目を光らすところまで。他にも細かいところいくつかやってそうです。
シノブ伝12話のシノブVS音速丸の一連のシーン。忍者審判が「勝負有り」というあたりから、同じレイアウトでサスケが「憎悪を超えて哀れみすら感じますね。。」と涙するまでの一連の変態作画。ある意味本物を越えた沼田さんの「ケツだけ星人」がブリブリ見られます(笑)ここら辺は音速丸とエフェクト以外はちょっと修正入ってるのではないかと。シノブが「イヤーン」というところも何かのオマージュだと思うのですが名前が出てきません。おそらくそこは無修正かと。なぜならやっぱり体型が変(笑)。ここのカットの面白さは完全に沼田さんの力量によるものですね。上手い人でもここまで面白くすることはなかなかできないですよ。
オマケ:6話の沼田鍋。ケツとか入ってます。闇鍋にも程がある!(笑)