キャッツ・アイ28話「うしなわれた記憶」

脚本:大川俊道
ディレクター:児玉兼嗣
作画監督平山智
原画:神村幸子、川越ジュン、児玉兼嗣、あべじゅん子

アイが記憶喪失になる話。以前ちょっと書いた「ドライブイン iruka」が出てくるのもこの回です。


キャッツ・アイでは演出、絵コンテという表記はされず「ディレクター」という表記で統一されています。児玉さんがディレクターでキャッツ・アイに参加される回は何度かあったのですが、スタジオイルカがキャッツ・アイに参加するのは今回がが初になります。作画監督平山智さんになっていますが、これは総作画監督ということで、実質上の作画監督は神村さんでしょう。パースリでも児玉さん演出、神村さん作監の回は何度かあり、児玉さんも原画を描かれていたことはありましたがクレジットされることはなかったと思います。こうやって夫婦で原画として並ぶのはめずらしいですね。


拳銃や無線機から油圧ジャッキ、トシのライターに至るまで、機械関係のリアルなディテールはまさにイルカ回です。ここはおそらく川越さんの仕事になるんではないでしょうか。イルカは手前や奥に走っていくようなパース感の必要とされる作画が上手いのも特徴ですね。あとはやっぱり足が細い(笑)コレは新ルの高畑さんの頃からですが。


崖から二人組みのテロリストが逃げていくところや、トシが地元警官に指示を出すところの作画なんかは地味だけど味があって良いですね。高畑系の作画です。モーターボートで銃撃を受けてから、ラジコンヘリでテロリストに催涙弾を爆撃するまでもエフェクト関係が独特です。これは今まであまり見なかったような。ヒトミがモーターボートでテロリストに突っ込んで爆発、爆風でテロリストが吹っ飛ぶあたりなんかに青木悠三さんのテイスト。今回はいつもの高畑テイストはおとなしめで、そのかわりに青木テイストが入ってくるというちょっと面白い回でした。


最近寝る前にキャッツ・アイを1本見るのが習慣になっているのですが、今のアニメではあまり見られない回り込みや背景動画なんかは平気で入れてくるので、それだけでも見る価値ありますね。天井に向かって銃を構えるだけで200°ぐらい回転したり「えっ、そこで入れるの?」と思うような使い方もあって結構面白いですよ。