キャッツ・アイ 56話「転校生に胸さわぎ」

シナリオ:宮下隼一
ディレクター:こだま兼嗣
原画:神村幸子、川越ジュン、あべじゅん子、菖蒲隆彦、西沢晋

これは予告の時点から回り込みに拳銃の書き方など、西澤さんのテイストが出ていて良作の予感がしてましたがさすがに他のメンバーまでは予測できませんでした。スタジオイルカに西澤さんが加わるなんて反則ですよ!夢のコラボレーション。いつもの良質なイルカ作画の上ポイントで西澤さんが書くという実に濃密な21分でした。西澤さんが入ると悪役が実に良い味になりますね。顔も悪すぎ。


いつものしっかりとしたレイアウトに愛がローラースケートで走る走る、学校も含めてAパートのモブは人多すぎですよ。体育で藤崎が鉄棒の車輪をやってるカットは「オシ・ヌキ・アフリ」という三要素がしっかりできてます。これはさすがにビデオ見ながら研究して書いてるんではないかと思います。降り技の伸身宙返りもすばらしい!実に良い仕事されてますよ。アニメの鉄棒シーンで感動したのは「ひみつのアッコちゃん」の宮崎・小田部回で小田部さんの書いた運動神経抜群の車輪を見た以来ですね。


俊夫がボディーガードにちょっかいかけるところはイルカテイスト入って良いですね。ゴミ箱に俊夫が突っ込むところは面白いし、俊夫に変装した泪がボディーガードに矢を当てて逃げるカットや車から飛び降りた藤崎が走っていくカットなどは相変わらず巧いです。海岸でヘリで襲われるシーンで回り込みが入るのがいつものイルカ回とは違いますね。イルカ回は通常回り込みは入らないのでこういうところはこだまさんが西沢さんのためのコンテ切られたのではないかと思います。全体に川越さんのジープや通信機、カバンなどのテカりも相変わらずですが西沢さんも結構テカりますね。


ふ頭に入ってからはさらに濃密な作画に。予告でタイトルを被せた銃を構える黒人の頭上からダイブしたきた瞳が拳銃を払い、銃とともに滞空しているカットは作画、構図ともにすばらしい。西沢さん格好よすぎますよ!これはシビれずにはいられないです。永石さんが銃を捨てるところがちょっと青木テイスト入っているのはもしかしたらこだまさんかもしれませんね。銃をチャカチャカやるタイミングもなかなか様になってました。瞳に蹴られ、永石に殴られ吹っ飛ぶところもやっぱり青木テイスト入ってるのはこれはいつものコンテ段階での指示ではないかと思います。永石さんの殴りっぷりもすごいです。普段温厚な永石さんも今回は全体に妙に悪役臭いんでよ。笑顔が恐い。やはり悪役の吹っ飛びはカタルシスを感じるシーンで、それまでハードボイルドしてた悪役がマヌケに吹っ飛ぶ様は気持ちいいですね。


キャッツ・アイ56話でスタジオイルカに西沢晋さんが加わわったことはシティーハンター2期1話の青木悠三×稲野義信に続く衝撃でした。まぁ「個人的に」ですけど。こだまさんと西沢さんはこの時しっかりとした信頼関係築いていたのではないかと思われます。西澤さんに合わせてコンテ切ってるようなところが随所で見られました。今回は実に面白かったです。


関連:鉄棒動画集(こういうの見たかった!)
http://gym-tech.good.cx/tetubou.htm