パタリロ! スタジオバード回

パタリロ! 第01話「美少年キラー」
脚本:辻真先
演出:西沢信孝
作画監督:兼森義則
作画:兼森義則 稲野義信
   渡辺明美 豊美幸恵 北住ヒカル 笹原圭子

どのアニメ初回は力の入った回が多く、
1話のみの無料配信でも楽しめるところがありがたい。
http://streaming.yahoo.co.jp/c/y/tab/10016/1001600001/


パタリロ!は物心つく前に再放送で見ておぼろげな記憶しかなかったのですが、
改めて見ると、独特の舞台で繰り広げられる
キャラクターの芝居と台詞で映像を見せていく芝居アニメに驚きました。
BGMは最低限。


土田勇さんの美術による舞台がすばらしい。
キャラクターと一部のオブジェクトをカラーで背景をモノクロで
処理する演出センスもこの美術があればこそ。


A,Bパートともに稲野さんっぽい臭い立つ芝居が随所に。


Aパートではバンコランがパタリロの部屋を訪れるあたりから
稲野さんっぽい臭い立つ芝居が見られます。
ソファの上をパタリロが跳ね回り、バンコランがソファに座る芝居がすばらしい。
立ったり座ったりする何気ない動きに底知れぬ味を感じるのは何故だろう。
パタリロにバンコランの噂を耳打ちするタマネギは良いポージングとタイミング。
夜バンコランがパタリロの部屋を訪れてからは稲野さんお得意の
髪やシーツのひるがえりや画面に向かって指差しをする芝居。


Bパートでジャダと美術館に向かうところやパタリロが美術館で
騒動を起こしてからもかなり稲野さんっぽい芝居がありますね。
ホテルの部屋に戻ってからジャダの芝居にも
小指を少し立ててアゴに手を当てる稲野さん独自のポージング。
立ち居振る舞いもどこか艶かしい。


いわゆるリミテッドな作画でもAプロ的なパタパタとした動きではなく、
なめらかな芝居を描けるところが稲野さんの魅力。
枚数制限の厳しい当時の東映アニメの中でも光ります。
舞台性、芝居性を見せるパタリロはなかなか良くマッチングしていますね。