ワカメは女の命です〜ワカメーターの髪芝居〜

不定形な煙や水などのエフェクトは
アニメーターによってデフォルメ化の特徴が出やすく、
そのセンスが試されるところの一つ。


同様に不定形なものとしてキャラクターの服のシワ、
そして「髪の毛」とくに長い髪もセンスが出やすいだと思います。
今風に大胆に輪郭をとって省略してみたり、逆に細く書き込んでみたり。


その髪の毛の書き方で注目しているのが
伝説のアニメロッカーの元で修行しプリキュア他で話題の田中宏紀さん。
独特のまとめ方で水中を漂うワカメのような髪の書き方で、
角張った服のシワの書き方も含めてフォルム重視の今の流れとは一線を画しています。


紅 第06話Bパートのミュージカルシーンが担当だったと思うのですが、
細かく緩急つけたキャラクターの芝居の付け方に加え、
氏独特の髪の毛の表現とこだわりの髪芝居。



芝居に合わせて紫の髪が細かく揺れたり
画面に向かって指差す紫の指に髪の毛が絡まったり。
ここは演出なのか作画アドリブなのかわからないけど、
キャラクターの女性的なデザインが活かされてこれがとても良かった。



弥生の「奪えよ〜マリア〜」の歌詞のところでは
顔のアップで髪が大胆にゆっくりとなびいていく様を
見せるところもすばらしい演出。


やはり田中さんは原画抜いたり
動画たっぷり入れたりとシートの使い方が上手い。
これは是非一度原画とシートの現物を見てみたい。





もうひとつ最近のもので気になっているのがマクロスFシェリルの髪。
こちらは今の流れに大胆に沿ってデフォルメされ、
書く人が書けば動かし甲斐のありそうなデザイン。
OPで髪がなびくカットが良かった。


こういう髪の毛を使った芝居は、実写ではできない、
重力から一部開放された表現でアニメーションの
面白さを感じるポイントですね。