さすがの猿飛 第08話「やぶれたり神風の術」

脚本:土屋斗紀雄
絵コンテ:光延博愛
作画監督:金沢比呂司
原画:あにまる屋

先日話題にしたらんぼうがソフト化されていないのがわかり、
なんか悔しいのでジャイアンツ回目当てで
さすがの猿飛を見返したらそこで思わぬ発見が。


作画の話の前に絵コンテの光延博愛さんについて。
その苗字から気になってもしかしたらと思って調べたら
やっぱりスタジオ雲雀の創設者の方だったんですね。


↓こちらに簡単な経緯が。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AA%E9%9B%B2%E9%9B%80
確かに猿飛では仕上げスタジオとして働いています。


見どころはラストのハットリ君と肉丸との対決。

赤いマントを脱ぎ捨てて肉丸に手錠を投げつけるハットリ君が格好イイ!
マントを脱ぎ捨て、手錠を構える、そして手前に向かって投球フォーム
さらにフォローもバッチリ。ものすごい大きな動きのラインで
実にアニメらしい誇張の仕方ですね。これはすばらしい!


そして肉丸との神風の術対決へ。
神風の術をやるために地面を擦るハットリ君もなかなか。


結局神風の術に破れて、吹き飛ばされるハットリ君が
ロープを投げるところもまた先の手錠投げと同様の動きですばらしい。
投げた後に後ろを向くあたりもポイントですね。
先と合わせてフォロースルーに拘ってる感じがあります。


特徴は金田系と括ってしまうのは乱暴なんですが、
独特な手つきと手の大きさでしょうね。やたらデカイ(笑)


Aパートのラストに道場で神風の術の秘密を会得するハットリ君でも
レイアウトとともにかなり近い書き方がされています。


この話について調べてみたらアニメスタイルの「もっとアニメを観よう」
第19回 中澤一登の「衝撃を受けたアニメ10本」で語られていました。
http://www.style.fm/as/04_watch/watch19_1.shtml

中澤 『さすがの猿飛』で、あにまる屋の回があるんですよ。
── どの話数か当てますよ。家の中で肉丸のお母ちゃんが走り回る話
(2話「これがうわさの肉丸ファミリー」)か、
神風の術を使って服部君と肉丸が対決する話(8話「やぶれたり神風の術」)か、どっちかでしょう。
中澤 対決の話ですね。あまり詳しくは覚えてないんですが。やたらと良かった覚えがありますね。
── あれは印象的でした。多分、木上(益治)さんの作画ですね。
中澤 木上さんですか。あれは凄かった記憶があります。

クレジットが「あにまる屋」のみだったのでこの情報はありがたいです。
話題にしたあたりは木上さんの作画と考えていいんでしょうか。


さらに木上益治さんについては「井上・今石・小黒座談会」でも話題が。
http://www.style.fm/as/04_watch/watch02_2.shtml

井上 煙は焦げ茶で、オレンジの炎で、光は白でっていう、こだわりがあった。
あと、『さすがの猿飛』と言うと、木上(益治)さんは忘れちゃならない。
物凄く粘っこいボリュームのある、パンチの利いた作画なんだよ。
後の摩砂雪を彷彿とさせる、あるいはそれ以上の作画を一瞬見せてパっと去っちゃった。
俺が敬愛する人です。あにまる屋の回で上手いところあれば、木上さん。
小黒 木上さんの作画を、摩砂雪さんの仕事だと勘違いしている人もいますよね。
それから『猿飛』では、アニメアールとカナメプロの回もあって。
こちらもファンの人気が高かった事も付け加えておきます。

http://www.style.fm/as/04_watch/watch05_5.shtml

井上 それに「DAICONIV」オープニングアニメも挙げておかねば。
さらに、俺の中で外せないのが、さっきも話の中で出た、木上益治さん。
俺が新人原画マンだった頃に、志田君と共に俺のライバルだった人。
で、結局、勝てなかったんだけど(笑)。
アニメのセンスのよさでは、いまだに勝てない。代表作は……難しいな。 
小黒 『三国志』じゃないですか。シンエイ動画の。 
井上 それもあるね。近年だと『しんちゃん』の劇場版でも、いい仕事しているんだよ。
『雲黒斎の野望』で城に乱入するあたりが、確か木上さんの作画だね(確証はありませんが)。 

何度も書きますが、さすがの猿飛ガンモと違ってDVDボックスが
ツタヤでレンタルできますので、作画ファンの人にはオススメですよ。