さすがの猿飛〜秘術・蝶の舞を見比べてみよう!〜

さすがの猿飛 第46話「魔子のララバイ忍法”蝶の舞”」

脚本:戸田博史 首藤剛志 絵コンテ:森脇真琴 演出:山田雄三 作画監督:金沢比呂司 原画:STジャイアンツ     摩砂雪 志田正博 安東信悦

Aパートで魔子の過去話からMM3(魔子の母)との再会、
Bパートで敵のアジトに乗り込んでからのドタバタ劇と、
展開のメリハリがついていて話としてよくまとまっています。
作画もそれに順ずる形でメリハリがつけられていますね。
特筆すべきは摩砂雪さんがほとんど一人で書いたであろうBパート。
Aパートでも冒頭の教室のところと、
ラストの「神風の術」は動きと書き文字から
摩砂雪さんじゃないかと思います。幼年時代の魔子は志田さんかな。


Bパートは当時の摩砂雪さんらしく、
金田調のアクションとテレコム調のエフェクトが満載で
猿飛のジャイアンツ回の中でも1、2を争う派手さです。
工場内部を飛び回りながら火炎を投げつける
小太郎のカットは背景動画からキャラに回り込みとなかなかの迫力。


先のカットの前、ハットリ君の手裏剣投げを見て、
アニメスタイルで小黒さんが言っていた
「木上さんの作画を、摩砂雪さんの仕事だと勘違いしている人もいる」
という話を思い出しました。
http://www.style.fm/as/04_watch/watch02_2.shtml
摩砂雪さんは予め決めポーズを書いて
その決めポーズで終わるような原画を用意しているのに対して、
木上さんは決めポーズの後にさらにフォローが何枚か入る。
このフォローの入れ方が当時の猿飛で
摩砂雪さん他、金田調の原画を描いていた人たちと
木上さんを分ける最大のポイントじゃないかと改めて思いました。


この話ではタイトルの通り、
魔子が母親の秘術・忍法「蝶の舞」を
会得することがテーマで「蝶の舞」シ−ンが5回出てきます。
この話一番の見どころといってもいいでしょう。
担当者とキャラクターによってそれぞれ違った動きで
比べながら見るとその差が見えてまた楽しいものがあります。

秘術・蝶の舞A1(母)
http://www.youtube.com/watch?v=TmYSN0pvta8
秘術・蝶の舞A2(魔子)
http://www.youtube.com/watch?v=p4Z-9wr52ME
秘術・蝶の舞B1(魔子)〜B2(MM3・母)
http://www.youtube.com/watch?v=k03POEqB4l8
秘術・蝶の舞B3(魔子)
http://www.youtube.com/watch?v=iJ2QbLNNJ8M

B1の魔子の目が光るところのSEには笑いました。「ガンダムかよっ!」って(笑)
大量の蝶を透過光で表現するところは撮影の人の苦労の後が見えますね。
おそらくコンテでここまでのアクションの支持は無かったでしょうから、
あの必要以上に動く「蝶の舞」はおそらく摩砂雪さんのアドリブなんでしょうね。
金田系とはいっても、摩砂雪さんのオリジナルといってもいいんじゃないかと思います。
このシーン、初めて見たときどこかで見たことあるな、と思ったんですが、
サンダーキャッツのOPに入ってる動きにそっくりなんですね(笑)
動きのパターンとして使ったのか、セルフパロディなのか。
いずれも自分にとっての摩砂雪さんの代名詞になっているカットです。


THUNDER CATS OP
http://www.youtube.com/watch?v=Y-sOaUAgbB4